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本から閃き

【読書感想】『ダントツにすごい人になる――日本が生き残るための人材論』

Amazon | ダントツにすごい人になる 日本が生き残るための人材論 | 森川亮 | 人生論・教訓 通販

 

内容紹介
インターネットの時代になり、世界のビジネスのスピードは劇的に増した。にもかかわらず、日本の多くの企業は変わることができず、取り残されている。このままでは、日本は変化の大きい世界経済の中で生き残ることができない。それが著者が感じる偽らざる危機感だ。

そうした時代に求められるのは、いままでにない新しい価値や大きな概念を生み出すこのできる人です。すなわち、人材の質こそが日本の将来を決める重要な要素である。こうした人材を著者は「ダントツにすごい人」と呼んでいる。

では、どうしたらそのような人材を増やすことができるのか。自らもLINE株式会社社長の座を退き、日本を元気にするようなメディアをつくるため、新たにC Channelという会社を起こした経営者が語る、日本人のための人材論。

安宅和人氏(ヤフーCSO)、林要氏(元Pepper開発責任者)、石川善樹氏(予防医学研究者)との対談も収録!

 

筆者は、新卒で日本テレビに入社。学生時代、バンド活動をしていたため音楽に関連する部門を希望していたが、意に反して1989年頃では珍しいIT部門に配属され、選挙の速報システムの開発などに携わる。その後、ソニーに転職し、ジョイントベンチャーを立ち上げる。社内で実績を積み上げるが、個人の力で大組織を動かすのは困難と悟り、次に、当時は無名だったベンチャー企業ハンゲーム(現・LINE)に入社する。

筆者の経営感覚も従来の日本企業とは一風変わっている。LINEで経営者の座についてからは、業績が好調ゆえに社員全体に安穏とした空気が流れるのに危機感を持ち、社員全員の給料をリセットする。そうして社員の貢献度に応じて給与額を決めるルールに移行したため、反発もあり会社を離れる社員も続出する。しかしそういった社員は実績に対して給与をもらいすぎている人たちだった。過激な手法だが、結果的に実績を残した人が評価される環境を作ることができたという。

 

本書では、時代の移り変わりとともに既存の社員像とは異なった「ダントツにすごい人」について述べられている。

人生の選択肢は無限にありますし、周りの目を気にせずに自分なりの道を選ぶほうが、軽やかに生きられます。「ダントツにすごい人」は、自分なりの道を選んでいる人ばかりです。

 筆者の特徴的な生き方は常に成長を意識しているということ。日本テレビソニーでも十分な給与や社会的地位を得ることができていたが、それでは満足できなかったという。

 

今いる組織で生き残ることを考えるのは間違いです。そのような人が集まっている組織は、早晩衰退します。今いる組織で生き残ることを考えると、上司の顔色ばかり窺うようになり、ユーザーの意見に耳を傾けなくなります。

……

日本のエアコンは海外ではあまり売れないと言われますが、人がいる方向に風向きを変えたり、自動で電源を切ったりする機能は、海外では求められていません。海外では機能より安さを重視します。日本のメーカーは節電やCO2の削減、省スペースなどの技術力は高くても、価格競争で負けたのです。

早くから海外のユーザーの要望を拾っていれば、ここまで低迷することはなかったでしょう。組織の内側しか見なくなった結果が、今の状態なのです。

これまで、日本の家電業界は海外(特に欧米)の最新技術を後追いし、さらに最適化と機能追加をすることによって付加価値を高めていった。しかし、それには限界があり「良いもの(ハイスペックなもの)を作れば高くても売れる」といった考えは古くなったように思う。こういった従来型の考えから脱しきれなかったのは、組織が肥大し、同じような考えを持った社員を多く抱え込むことによって会社の柔軟性が失われてしまったことに他ならない。

また上司との関係性が重視され、「正しい判断をし、正しい行動をと」ったとしても上司の意にそぐわなければ評価が低くなることもある。

そういう組織には未来はないので、一刻も早く離れるのが賢明です。

と筆者は率直に説いている。

 

ダントツにすごい人は、かなえたい夢や実現したい思いのためには、一切妥協しません。そして、目標達成のためには、どんな努力も惜しまないのです。

「ダントツにすごい人」は金銭よりも自己実現を優先し、ときにはトップの依頼も後回しにする。上司の顔色を窺うことなく、目の前の仕事に集中できる人こそが「ダントツにすごい人」だと筆者は述べている。

組織と個人との付き合い方はどんどん変わっている。やりたいことをやるために地位や名声を捨てて飛び出していくことがさらに重要になっていくのだろう。