Romancing Book

本から閃き

Mac Pages用の職務経歴書テンプレートを作ったので公開する

Word対応のものは数あれど、Mac Pages用の職務経歴書テンプレートはなかったので作りました。

職務経歴書テンプレート.pages - Google ドライブ

 

Mac Pages用の履歴書テンプレートはすでにあります。統一したほうがよいと思い、デザインも参考にさせていただいています。すっきりとしたシンプルな見た目になっています(と思います)。使い方も下記URLと同様です。

Mac Pages用 履歴書テンプレート | modshrink

 

フリーです。お気軽にダウンロードしてお使いください。

 

qiita.com

エンジニアの方の中には Github で管理している方もいて、編集履歴もわかるのでこっちの方がスマートな感じがします。

将来的に、リンクを参照してもらうだけになれば効率化が進みそうですね。

【読書感想】『天才を考察する-- 天才を考察する―「生まれか育ちか」論の嘘と本当』

天才を考察する―「生まれか育ちか」論の嘘と本当-

 

内容紹介
アインシュタインら歴代の天才を対象に行なわれた「天才研究」から最新の遺伝子・ゲノム理論、発達心理学の成果までを簡潔かつわかりやすく紹介しながら、古い論争がいかにナンセンスであったかを説く、出色のポピュラー・サイエンス。

 

題名通り、歴史に名を残してきた「天才」たちを考察する本だ。例えばクラシック音楽家の代表のひとりであるモーツァルトは幼少期からその天才ぶりを発揮してきた。しかしそれはモーツァルトが優れた才能を持って生まれてきたためだろうか。才能もあったかもしれない。しかしモーツァルトの才能を決定づけたのは、父レオポルトによる幼少期からの英才教育が多分に影響している。

またテッド・ウィリアムズマイケル・ジョーダン、ヨーヨーマなどの各分野で功績を残した人々を例にとり、才能の裏側にあった事実を紹介している。

 

才能は遺伝的に決まっているものだろうか。本書で取り上げられた科学的検証の中でも、とくに興味深いと感じたものを二つ取り上げる。

 

・利口ネズミと愚鈍ネズミの実験

迷路を通り抜けるテストで、成績が良い「利口ネズミ」と成績が悪い「愚鈍ネズミ」を以下の三つの環境で過ごさせたあと、再度同じテストを受けさせる。

①豊かな環境(鮮やかな色の模様を描いた箱に刺激の強い玩具を置く)
②普通の環境(ごく普通の箱の中に運動神経と感覚神経を刺激する玩具を少しだけ置く)
③制限された環境(基本的に餌入れと水入れを置いただけ)

f:id:rmnbook:20170808145242j:plain

結果、普通の環境では成績の差は縮まらなかったが、豊かな環境で育てると、愚鈍ネズミの成績が大幅に向上し、利口ネズミとの成績の差は僅差になった。遺伝的な違いは環境によって覆しうることがこの実験でわかる。

 

またほかにも後天的な環境によって大きく姿や能力を変化させる生物がいる。

・ウミガメとクロコダイルは、卵のときの周囲の気温によって生まれる子の性別が決まる。

・バッタは、生まれた直後は体色が黄色いが、ある年齢で黒っぽい(高温によって焼けた)環境にさらされると、黒っぽくなる。

・イナゴは、密集した環境で生まれ育つと、そうでない場合に比べて筋肉が発達する(移動に適した体格になる)。

遺伝子によって全てが決定づけられると考える人たちにとって、環境によって形質を変える生物たちをどうみるだろうか。遺伝子と環境は相互作用によって互いに変化していく。そしてこれは人間にも当てはまるといえる。 

 

特定の経験に応じ、脳の特定の部分が自らを構築しなおすのである。「大脳皮質は環境変化に応じて自らを再構築するいちじるしい能力を有する」とハーヴァード大学の精神医学者レオン・アイゼンバーグの論文にも記されている。

 本書ではこれを「可塑性」と呼んでいる。人間は自分の求めるとおりに能力を変化させられるのだ。

 

・易しいパズルか、難しいパズルか

学生たちに易しいパズルを解かせた後、

①生来の知能を賞賛するグループ

②努力を賞賛するグループ

に分けて、その後の行動を観察した。

学生は再試験という名目で、別の易しいパズルか、もっと難しいパズルのいずれかを選ぶよう指示される。

結果はつぎのとおりだった。

・生来の知能を称賛された生徒の半数は易しいパズルを選んだ。

・努力を称賛された生徒のなんと90パーセントは難しいパズルを選んだ。

「頭の賢さよりも努力したプロセスをほめる」ことが、さらに難しい課題に挑戦しようと思う意欲を与えられるのだ。

 

あるタイプの訓練活動に熱意をもって頻繁に打ち込めば、生理的な緊張が引き起こされ、それによって生化学的な変化が生じ、その刺激のために細胞の成長と転換が促されるとともに、生理系統および脳の適応が進む

本書では、世間一般で考えられてきた「天才」や「才能」といった存在を覆す内容になっている。また、本書で紹介される数々の科学的検証から、人間には「必要に応じて自分自身を変化させる力」を誰もが持っていることを一貫して著している。

特に重要なのは「環境」で、それはつまり自分の意志だけで成長するのは難しいということだ。成長したいのなら、困難だが実りある環境に身を投じる必要があるのだろう。

【読書感想】『サブカル・スーパースター鬱伝』

www.amazon.co.jp

 

内容紹介
「サブカル男は40歳を超えると鬱になる、って本当!?」プロインタビュアー吉田豪が、そんなテーマに沿って、リリー・フランキーをはじめ、大槻ケンヂみうらじゅん松尾スズキなどのメンバー(ほか、川勝正幸杉作J太郎菊地成孔ECD枡野浩一唐沢俊一)に全力インタビュー! クイック・ジャパン誌上で『不惑のサブカルロード』 と題して連載されたものに、精神科医にしてサブカル者である香山リカへの新規インタビューや、吉田豪自身の補稿もくわえての書籍化。イラストは、『プロレススーパースター列伝』『男の星座』の原田久仁信

 

サブカルを代表するアラサー男性たちとプロインタビュアー・吉田豪の対談本だ。40代といえば青年期から老年期にさしかかる中間地点を指す。

唐沢俊一 「この本はそのうち読もう」と思っているうちに、「あ、自分にそのうちはないんだな」って四十代おわりぐらいで気づいてね。

若くはないが、年寄りでもない。初めて死期を間近に感じることで、無気力感に襲われてしまう。その中でも「サブカル男」はその傾向が強いという。

 

松尾スズキ しんどいときってすごい迂闊になるから、裸になって風呂に入ったらお湯が入ってないとかあって、それを見て頭を抱えて……。

吉田剛 「俺はなんでこういうとこまでダメなんだ(涙)!」みたいになっちゃうんですか?

不謹慎かもしれないが、この部分は笑った。『うつヌケ』でも鬱になると、これまで日常生活でできていた些細なことでミスが多発するという。

基本的にはサブカル男の人間味溢れる本でそれ以上でもそれ以下でもない。表の顔は一見飄々として自由に生きているように見えるが、裏では結構弱っているところが垣間見えて、くだらなくもどこか身につまされる。

 

【読書感想】『ベストセラーコード--「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム』

www.amazon.co.jp

内容紹介
ダ・ヴィンチ・コード』、『ミレニアム』シリーズ、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』――。ベストセラーが売れるのは偶然なのか? それとも黄金の法則が存在するのか? テキスト・マイニングと計量文献学の最新技術を駆使して読者を魅了する秘密のDNAを明らかにした、文学界騒然の注目作。

ベストセラーの本とそうでない本の違いは何か、文章構造の側面から明らかにしようとするのがこの本の狙いだ。

 

コンピューター・モデルに原稿を読ませて、数千という特徴を調べさせた結果、ヒットする小説には特有のパターンがあること、そして、そこには読者の読書と結びつけて語る価値があることがわかった。

モデルとは、事象の構造の共通性に着目して、それを論理的に形式化したもののことだ。

 

基本的に本書は、テキストマイニング形態素解析)によって判明したことをまとめており、技術的なことにほとんど触れることはない。

 ↓テキストマイニングとは

通常の文章からなるデータを単語や文節で区切り、それらの出現の頻度や共出現の相関、出現傾向、時系列などを解析することで有用な情報を取り出す、テキストデータの分析方法である。

引用元:テキストマイニング - Wikipedia

 

例えば、

ベストセラーのキャラクターは、非ベストセラーのキャラクターにくらべて、平均して need と want を2倍、miss と love を1.5倍の頻度で使っている。

ベストセラーの本の主人公は、何かを必要(need)としていたり、何かを欲しがって(want)いたりすることが、それらに関連する単語の頻出度合いからわかった。それらのキャラクターは、問題を解決するために能動的に動きつづけている。一方で、非ベストセラーのキャラクターは、まわりの環境に受動的に振り回され、使われている単語も受動的なものが多いということがわかった。

 

わたしたちは友人の小説をコンピューターに読ませて感情の曲線を測定し、その結果を見せた。すると彼は即座に理解した。そこに描かれた曲線は、本を売りたい作家に贈られるアドバイスのなかでもっとも大切な原則を無視していること示していた。(中略)笑みを浮かべながら読む程度の控えめな場面から、心をわしづかみにされる場面へ移行する最初の境目は、グラフのなかで険しい山か深い谷となってあらわれる。それがあなたの小説の「つかみ」だ。

コンピューターで単語を解析し主人公の感情の起伏を図に表すと、ベストセラーの本には共通するパターンが存在することが判明した。例で登場する『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』では初め主人公たちは不運に陥るが、中盤で持ち前の行動力や才能を利用して大きく盛り返す。最終的にはバッドエンドになってしまうが、この未消化感は次作へとつながっていく。パターンには種類がいくつかあり、ベストセラーのほとんどがそのどれかに当てはまる。また、最初の40ページまでにそういった起伏を登場させることが読者の心を「つかむ」のに重要だと筆者は述べている。

 

ほかにも、ベストセラーには冒頭の一文の力強さとシンプルさが読者を惹きつけていることや日常の言葉( not を短くした n't のような縮約系)が頻出することなどについて触れている。

巻末には『統計学が最強の学問である』の著者・西内啓による解説も載っており、これだけでも興味深い内容になっている。

結局のところ、文章における目新しい発見があったというよりも、これまで多くの指南本でいわれてきたセオリーを統計的な側面から補強したというのが正しい見方だろう。とはいっても、文章に携わる人たちにとって有意義な本であるのは間違いない。

 

 

【読書感想】『ゲノム編集の衝撃--「神の領域」に迫るテクノロジー』

www.amazon.co.jp

内容紹介
“この25年の中で、おそらく最も画期的な生命科学技術"
――山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長)


生物の設計図、遺伝子。そこに書き込まれたすべての遺伝情報が、ゲノムだ。
この驚異のテクノロジーは、ゲノムを〝編集〞することで、遺伝子を、そして生物そのものを変える。
食料・エネルギー問題を解決する品種改良。根治できないとされてきた難病の治療。デザイナーベイビーという新たな課題。
遺伝子を自由に操作する――。ゲノム編集は、SFの世界を現実のものとした。
本書は、次のノーベル賞候補と目される、この技術のメカニズムと最新成果を、国内外の研究者への取材を基に明らかにする。
これは複雑な生命現象に、進化を続ける科学技術が対峙する瞬間を目撃したジャーナリストによるレポートである。
◆『NHKクローズアップ現代』の書籍化。
山中伸弥氏による序文と、ゲノム編集の国内における第一人者・山本卓氏(広島大学教授)へのインタビューも収載。

 

目次
序文「ゲノム編集とiPS細胞―人類の未来のために」 山中伸弥
はじめに
第一章 生物の改変が始まった
第二章 ゲノム編集、そのメカニズム
第三章 起爆剤、クリスパー・キャス9~爆発的広がりをアメリカに追う
第四章 加速する「ゲノム品種改良」
第五章 超難病はゲノムから治せ
第六章 希望と不安のはざまで〜困惑する研究現場
おわりに
インタビュー「ライフ・サイエンスの先端をいくために」 山本卓

 

ゲノム編集とは遺伝子のDNAを文字通り「編集」する方法だ。DNAに手を加えるための画期的な手法が発明され、科学研究な中でもとくに注目されている分野になっている。

先日、アメリカでヒトの受精卵を使ったゲノム編集が行われことを知り、「そういえば読んだけどブログに書いてなかったなあ」と思いキーを叩いている。

gigazine.net

 

ゲノム編集技術の中で最も有望な、今日CRISPRと呼ばれる反復クラスターは、1987年に大腸菌で初めて石野良純(英語版)らによって記載された。その後、2002年にCRISPRと命名された。

このCRISPRがゲノム編集へと応用可能であると記載されたのは、2012年8月のことで、スウェーデン・ウメオ大学のエマニュエル・シャルパンティエらとアメリカ合衆国・カリフォルニア大学のジェニファー・ダウドナらによるものである。

シャルパンティエとダウドナらは、CRISPRによるゲノム編集の可能性に気付くうちに、当時用いていたレンサ球菌の2つのRNAをガイドRNAとして1つに集約できることにも気付いた。その試みは成功し、今日のCRISPR/Cas9による高効率のゲノム編集が可能となった。

引用元:ゲノム編集 - Wikipedia

 ゲノム編集は遺伝子研究の分野において手法が確立されてまだ数年しか経っていない。

2012年に考案された「クリスパー・キャス9」という革命は人類のあり方さえ変えてしまうほどの衝撃があるのだ。

クリスパー・キャス9では、ガイドRNAというまさに「ガイド」に誘導されてキャス9(別名:ヌクレアーゼ)というタンパク質が標的の塩基配列部分を切断する。損傷を起こした塩基配列は自動で修復され、元の配列に戻ることはない(ノックアウト)。また特定の塩基配列と交換することも可能だ(ノックイン)。


例えば、おとなしい性格で乳量が多いホルスタイン種は、そういった特徴の牛を意図的に交配することで作られた。こういった従来の方法だと、思ったように特質が現れなかったり病気に弱い個体ができたりして、何十年もの歳月がかかる。しかしゲノム編集技術を利用すれば、もっと短期間で実現が可能になるのだ。

 

またゲノム編集は遺伝子組換えとは異なる。遺伝子組換えは別の種の遺伝子を加えることによって特質を引き出している。ゲノム編集では、例えば数万分の一で生まれる肌に色素を持たない白いカエルを人為的に作り出せる。この二つの違いは、自然であるか否かで、ゲノム編集による生物は自然発生する可能性があるが、遺伝子組換えの生物は自然発生しないのだ。

 

ゲノム編集は医療分野での応用も期待されている。「エイズ」は白血球の異常によって免疫力低下を引き起こす完治が困難な病のひとつだ。成分献血血小板や血漿といった特定の成分だけを採血し、体内で回復に時間のかかる赤血球は再び体内に戻す方法)でエイズ患者の血中から白血球だけを取り出し、その白血球にゲノム編集を施して被験体に戻すことで、正常な白血球を増やし、免疫力を取り戻せることが実験でわかっている。

 

ビジネスの分野でも変化が起きている。ゲノム編集界のAmazonと呼ばれる「アドジーン」ではゲノム編集ツールを一括に集約、保管、発送している。これによって、これまで煩雑なうえ費用は高額だった手続きが無くなり、研究者の負担を大きく減らした。

 

 

注射ができる施設さえあればゲノム編集ができてします。(中略)自然と同じものができるというメリットがある一方で、悪用も可能というデメリットがあります。

大きな可能性を秘めているゲノム編集研究だが、専門的な知識がなくても、機械の操作に慣れれば誰でもゲノム編集が可能だという。

また倫理的な問題も大きく、人間に応用されるのはまだまだ一部に留まるだろう。

ただゲノム編集がこれからもどんどん盛り上がっていく分野のひとつなのは間違いない。期待を込めて続報を追っていきたい。

【読書感想】『読んでいない本について堂々と語る方法 』

www.amazon.co.jp

「読書を習慣づけたい人がまず読むべき本」というランキングがあったら堂々の第一位でおすすめしたいのがこの本だ。

この本を読めば、おもに学校教育や家庭で形成されてきた「完全な読書」という見方が変わるだろう。読書をもっと身近に感じることができるはずだ。

 

  •  

    その本を読むということはあの本を読まないということ

本を読むことは本を読まないことと表裏一体である。どんなに熱心な読書家においても、ある本を手に取り、それを開くということは、それとは別の本を手に取らず、開きもしないということと同時的である。

図書館や書店に行けば、膨大な数の書籍が並べられていることに気づくだろう。人生で読める本の数は有限であることに気づかなければならない。

つまり、この世に存在する全ての書籍に目を通すことはできない。読書を冊数で競い合うことは無意味で、「読んでいない本が存在しつづけること」は必然なのだ。

 

  • タイトルやカバーからわかること

一冊の本は、われわれの視界に入ってきた瞬間から未知の本ではなくなる。その本に関して何も知らなくても、それについて夢想することも、議論することもできる。(中略)極論すれば、一度でも出会ったあとに未知でありつづけるような本はひとつもないといっていい。

タイトルやカバー、目次、まえがき、他人が書いた書評に至るまで、その本に付随する些細な情報の全てが読書といえるのではないだろうか。読書とは、本文を最後のページまですべて目で追うことだけではない。それは読書のスタイルの一つに過ぎない。

 

  • 「知らない」ということが逆説的に作品に接近する

亡霊の話を信じないティヴ族の人々は、まさにそのことで、シャイクスピア批評の少数派だが活発な潮流に近い立場に身を置いている。この潮流に属する批評家たちは、ハムレット父親の再出現に疑問を呈し、主人公ハムレットは厳格に囚われていたのではないかと示唆しているのである。(中略)作品を知らないことは、逆説的にも、彼らにより直接的な接近を可能にする。しかもそれは、作品の隠された真実といったものへの接近ではなく、作品がもちうる無数の豊かさのひとつへの接近である。

無知であることは悪いことのほうが大きいかもしれないが、それを逆手に取ることもできる。経験も知識もない子どもが根源的な質問を繰り出す例がわかりやすい。大人は情報をいちいち頭で考えて処理するのは疲れるので、これまでに培った「型」で取捨選択するようになる。一見、便利なようで、そういった効率化は視野を狭めることにつながる。

 

  • 学校空間や家庭が押し付けてくる「完全な読書」という錯覚

われわれが他人と書物について語りながら交換するのは(中略)われわれ自身の一部である。こうした交換によって脅かされているのは、われわれのアイデンティティーそのものなのである。この潜在的な空間があいまいさを保持しつづける必要があるのはそのためである。
読書というのは真偽のロジックには従わないものだからである。

(中略)

われわれには他人に向けた真実より、自分自身に向けた真実の方が大事である。

学校教育が教える精読は、文章を正しく読む訓練として役立っているが、それがそのまま読書のスタイルとして正しいとは限らない。作者の意図を正しく受け取ること、暗誦できるまで読み込むことが美化されがちだ。そういった能力も、もちろん読書するうえで必要だが、基本的に文章を読んだときの感じ方は人によって異なる。「答え」が存在することのほうが少ないのだ。

 

  • <他者>は知っていると考える習慣を断ち切ること

そのモデルはかの遺漏なき教養というフィクションである。学校制度によって伝播されるこのフィクションが、われわれが生きたり、考えたりする妨げとなっているのである。
<他者>は読んでいる、だから自分より多くのことを知っている、と考えることで、せっかくの想像の契機であったものが、未読者がすがる窮余の策に堕してしまうのである

(中略)

そこからどのように逃れるかではなく、それをいかに活性化し、その射程をいかに拡げるかを知ることなのである。

他人との解釈の違いを恥じることがある。多数派の解釈が正しいと考えてしまう。そういった不安が、本から得られる創造性を殺してしまうこともありうるのだ。

 

  • とにかく褒める

読んでいない本について著者自身の前でコメントしなければならない状況にある人間に与えられるアドバイスはただひとつ、とにかく褒めること、そして細部に立ち入らないこと、これである

最後に、このアドバイスは本に限らず、ブログにも適用できるだろう。 

音楽フェスの動員数は増えているか

お題「フェス」

 

 

先週末(7/28〜30)に行わればかりのフジロック。去年、復活したばかりのオザケンがフェスに降臨すると聞いて開幕前から一部(サブカル愛好者)で話題となっていた。他にもビョークやエイフェックスツインなど海外アーティストも招待され、例年どおり活況を呈した。

そこで、インターネットの普及によって音楽市場の構造が変化しているというのは数年前からよく言われている。お金の支払われる対象がCDから音楽ストリーミングサービス、ハイレゾ音源、レコード、カセットテープ、そして音楽フェスと選択肢が多様化している。

CDを買って音楽を聴いていた層がストリーミング配信に移行している(欧米を中心に)。限定販売によるレコードやカセットはレアリティによる付加価値が乗せられているぶん、「音楽」よりも「グッズ」として所有するようになってきている。ハイレゾ音源は音楽制作技術と通信速度の向上によって手軽に手に入るようになった。

 

では音楽フェスはどうだろうか。フジロックといった日本の代表的な音楽フェスは、SNS普及以後その混雑ぶりも可視化されるようになった。

例えば

【子づれフジロック備忘】小沢健二@ホワイトステージの端っこで起こっていたこと | レジー | note

↑ 目玉アーティストに人が集中しすぎて本当に「◯ぬ」と思った記事や、

あなたはどう思いますか? | FUJIROCK EXPRESS '17 | フジロック会場から最新レポートをお届け

↑ キャンプ施設にゴミが残されたまま、

といったマナーの低下(?)によるトラブルもあるようだ。

 

音楽フェスでの混雑やトラブルが(個人的な観測範囲内では)目立つようになってきているのなら、音楽フェスの動員数も増え続けているのではないか?と疑問が浮かぶ。

そこで、『フジロックの今年を含む過去10年間ののべ動員数』をまとめてみた。

2007:127,000

2008:119,000

2009:123,000

2010:125,000

2011:115,000

2012:140,000

2013:111,000

2014:102,000

2015:115,000

2016:125,000

2017:125,000

フジロック公式サイトフジロックフェスティバル - Wikipediaより引用)

まとめてみると、意外にもほぼ横ばいといった印象だ。2012年には過去最多の動員数を記録している。東日本大震災後の翌年で、自粛ムードから時間を経て需要が集中したということなのだろうか。2014年はEDMブームが日本に到来。ウルトラジャパンといったEDMフェスが多く開催されたことがフジロックの動員数減少の原因だとも考えられる。

 

調べているうちにこんな記事に行き当たる。

拡大を続ける音楽フェス市場/ぴあ総研が調査結果を公表|ぴあ株式会社

 既存のフェスの動員数が増加しているというよりも、音楽フェス自体の開催数が増加しているようだ。